第70回北海道大家塾は、札幌駅最寄りの北農健保会館に会場を設け、コロナ感染拡大防止対策を行なった会場セミナーには50名、You Tube ライブ(限定公開)の同時配信によるWEBセミナーには65名の計115名が参加の中で開催されました。
第一部『極東船⻑の弟が語る「⾦持兄ちゃん・貧乏弟(おん)ちゃん」〜なぜ一生懸命頑張っても差が開いて行くのか?』講師:有限会社アール 代表取締役 石垣 力 氏
第二部『入居率の高いオーナーと低いオーナーは何が違う?~空室対策の意識と行動の実態』
講師:株式会社リクルート住まいカンパニーネットビジネス統括本部(SUUMO)の松本龍二 氏
【第二部】
『入居率の高いオーナーと低いオーナーは何が違う? ~空室対策の意識と行動の実態~属性/自主or委託/経験年数でも違いが…』
「空室対策や入居率のために、何が効果的?」
「管理は委託と自主管理、どちらが良い?」
「そもそも、入居率の高いオーナーと低いオーナーの違いは何?」
これは不動産業界の中で良く聞かれますが、即答できる正解は無い質問です。
賃貸オーナー様向けサービス「SUUMO 賃貸経営サポート」など、不動産実務経験を活かした商品企画や開発を手掛け、その業務の一環として、全国各地の大家団体に講演活動を行ってきた「SUUMO」の松本龍二さんもまた、これまでセミナーや懇親会で出会った約4,000人のオーナーから質問を投げかけられるたび、同じことを感じていたそうです。
「この質問で問われている内容を、実際に調査してみよう!」
松本さんがそう思い立ったのは、日本全国がコロナ禍で真っ只中の今年2月だったと言います。
コロナ禍でオフィスにほぼ出勤できないフルリモートワークの中、ウォーキングとオートバイに目覚めてしまうほど、アクティブで多彩な趣味を持つ松本さんは、その旺盛な好奇心を「入居率の高いオーナーと低いオーナーは何が違う?」という問いにも改めて向け、調査会社とともに「空室対策の意識と行動の実態」というテーマで独自の全国調査を行われました。
その結果、浮かび上がってきたのは、
『賃貸オーナーである自分を大家と思うか?経営者と思うか?不動産投資家と思うか?
その意識の差が空室対策への問題意識や行動に 反映され、入居率が高いか?低いか?にも表れている』
という実態でした。
■調査概要
今回の調査対象は、居住用賃貸物件を10戸以上、保有しているオーナー約1000人
ー 全国の賃貸オーナー約2万人の5%に相当(北海道は31人)
入居率95%以上を「入居率の高いオーナー」と定義(459人)
入居率90%未満を「入居率の低いオーナー」と定義(311人)
男女比は全国でおおむね男8:女2。
平均年齢は56歳 50~60代の経験豊富なオーナー
保有物件数は10~14戸 平均26戸
調査はエリア・居住地とともに「物件管理方法」「賃貸経営 経験年数」「保有資産」「入居率」などの項目を組み合わせ、さまざまな観点から調査・分析が行われていました。
その中で「入居率の高いオーナーと低いオーナーの違い」として、「いくつかのポイントがある」と
松本さんは語ります。
セミナーのまとめとして、松本さんは今回の調査結果から以下のようなメッセージを参加者に伝えました。
「入居率の高いオーナーになっていただくためには、自分自身を「大家」「投資家」であると同時に「賃貸経営者」であるという意識を持ち経験年数、管理方法、空室時や満室時に関わらず普段からの情報収集・マーケティングにより募集条件の見直しや改善を行なって物件の品質・価値を高めパートナーである不動産会社(管理会社・仲介会社)との良好な信頼関係を築いていただくことが重要です」
また参加者には、松本さんの調査結果がまとめた100ページ以上の貴重なデータがPDF資料として配布されました。
今回、松本さんがセミナーで語っていただいた内容は「賃貸オーナーの意識が結果的に入居率の高さ、低さ
となって表れてくる」という事実を、調査結果データの裏付けがそろうことで、より強く実感できる貴重な情報だったと思います。