新型コロナウイルス感染症の影響で時短営業やリモートワークなどにより、通常の収入が下がり、住んでいる家賃が支払えなくなる人が増えています。
このような家賃滞納リスクなどの影響によって、家賃債務保証の需要が高まってきています。また改正民法の施行によって、連帯保証人の極度額掲示が必要となったことも家賃保証会社の利用が増えてきている要因といえます。
そこでこの記事では、賃貸経営をされている方にむけて家賃保証会社とは、どのようなところか?どのような会社を選ぶべきか?について解説していきます。
□家賃保証会社とは、どんなところ?
賃貸借契約において、家賃滞納(債務不履行)などがあった場合、入居者に代わって家賃を立て替えて支払うことを業務にする会社を家賃保証会社と言います。借主本人から保証料を手数料として受け取り、従来の連帯保証人の役割を家賃保証会社が担っています。また立替えた費用は、保証会社から借主に請求します。
家賃保証会社の利用を契約の条件としている場合もあり、賃貸借契約時に保証会社と賃借人が保証委託契約を締結するケースも増えてきています。
□家賃保証会社の目的
・家賃滞納保証
毎月の家賃を借主の銀行口座から振替で回収し、たとえ残高不足で回収ができなかったとしても、管理会社やオーナー様へ立替払いを行います。
・ 集金代行
家賃滞納の有無に関わらず、毎月決まった日に家賃保証会社が立替え払いを行います。
□家賃保証会社の仕組み
家賃に応じた「保証料」という費用が掛かります。家賃保証料は、月額賃料の50%~100%が一般的と言われ、加入から毎年発生します。しかし1年間家賃をしっかりと払っていた場合は、信頼を得られ、次の年から家賃保証料が下がるケースが多いと言われてます。
保証会社を利用すると、オーナー様の負担は少なく、賃貸経営をスムーズに行うことができます。家賃保証会社によって保証料や支払いの頻度が違うこともあるので、注意するようにしてください。
□家賃滞納が起きた時の流れ
では実際に入居者が滞納した後はどのような流れになるのでしょうか?
・物件オーナーや物件会社の口座に家賃を振り込む場合
契約者が家賃を滞納した場合、貸主側は家賃保証会社に報告しなければなりません。
会社によって期日があり、契約書に「滞納が発生してから◯日以内」と記載している場合があります。家賃保証会社は、入居者に連絡をするのが一般的な流れです。
・信託口座への振込やクレジットカードの課金で家賃を支払う場合
貸主側は家賃保証会社にに報告することなく、立替支払と入居者への連絡を行います。
□家賃滞納が起き、催促の流れ
1、督促の連絡がくる
家賃滞納が発生すると、管理会社から督促の連絡がきます。一般的には、数日~10日以内には連絡がくる可能性が高いです。
2、内容証明郵便の送付
複数回に渡る督促にも関わらず、支払いがされない場合には「契約解除の予告通知書」という催告書の送付が行われます。
3、契約解除通知
3~6ヶ月以上の滞納が続くと、強制退去に向け「最終通告」として、家賃支払い催促の連絡がきます。このときに、内容証明郵便を通じ、賃貸借契約の解除通知の送付が行われます。
4、不動産の明け渡し請求の申し立て
裁判所に対し、不動産の明け渡しと未払い分の家賃、延滞した家賃に伴う遅延損害金を合わせて請求します。
□まとめ
この記事では、家賃保証会社の仕組みについてご紹介しました。近年、家賃滞納のトラブルが増えているので、保証会社の活用や滞納時の対応について参考にしてみてください。