アパート経営において気になるのは、建物の耐用年数ではないでしょうか。建物と言っても構造によりそれぞれ耐用年数が異なります。しかし、実際には使用できる期間と耐用年数は同じではありません。そこで今回は、アパートの構造別の耐用年数やアパートの法定耐用年数の決められ方について解説します。
□アパートの構造別の耐用年数
*アパートの構造
アパートなどの建物による法定耐用年数は、構造によってさまざまです。木造や軽量鉄骨プレハブ造、鉄筋コンクリート造の建物がアパートとして分類されます。
*アパートの構造別の耐用年数
法定耐用年数は、国税庁により定められています。法定耐用年数とは「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められている耐用年数です。減価償却資産の通常使用できる期間として規定されています。建物の法定耐用年数は、以下の通りです。
木造:22年
軽量鉄骨プレハブ造(鉄骨肉厚が3㎜以下の物):19年
軽量鉄骨プレハブ造(鉄骨肉厚が3㎜を超、4㎜以下):27年
重量鉄骨造(鉄骨肉厚が4㎜を超):34年
鉄筋コンクリート造(RC):47年
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC):47年
アパートは、建物と建物の付属設備が減価償却の対象となります。
□アパートの法定耐用年数の決められ方
*法定耐用年数はアパートの構造によって決まる
減価償却資産は、用途や構造、資産の種類により定められています。鉄骨肉厚が6mm以上の重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)は、マンションに分類されています。したがって、アパートの法定耐用年数は、一般的に19年から34年となるケースがほとんどです。
*減価償却資産ごとの法定耐用年数
法定耐用年数は、減価償却資産ごとに定められています。例えば、電気設備(蓄電池電源設備6年、その他のもの15年)給排水設備(15年)、衛生設備(15年)、ガス設備(15年)、アーケード・日よけ設備(主として金属製のもの15年、その他のもの8年)など、建物の附属設備にも定められています。
*法定耐用年数と減価償却費
減価償却費を計算する際は、法定耐用年数を使用します。減価償却の計算方法は、定額法と定率法があります。
定額法は、毎年同じ額を減価償却費として計算します。
計算式は、購入価格÷耐用年数で算出します。
定率法は、毎年一定率を減価償却費として計算します。
減価償却費=(取得原価-減価償却累計額)×償却率で算出します。
*減価償却資産の耐用年数等に関する省令
減価償却資産の耐用年数等に関する省令は、昭和40年に制定されています。これまで改正を重ねて現在に至りますが、法定耐用年数を超えても実際は、物件の使用が可能なケースが多くあります。
□まとめ
今回は、アパートの構造別の耐用年数やアパートの法定耐用年数の決められ方について解説しました。法定耐用年数はアパートの構造によって決まります。しかし、法定耐用年数を超えても実際は、物件の使用が可能であるケースが多くあります。アパート経営においての法定耐用年数は、収益性を保つ上で理解しておくことが大切です。