住戸で使用する給水管・給湯管には、さまざまな種類があります。これらの設備は、馴染みのないものかもしれません。しかし、劣化すると悪臭や水漏れなどの原因となります。それぞれの特徴を知っておくと、オーナー様にもトラブルにも役立つのではないでしょうか。そこで今回は、住戸で使う給水管・給湯管の種類について解説します。
□住戸で使う給水管・給湯管の種類
*塩化ビニルライニング炭素鋼鋼管(VB)
硬質塩化ビニルをライニングしたもので、常温水の使用を前提とした防食鋼管です。鉄の部分に触れない構造になっています。耐久性や防食性、耐薬品性に優れています。しかし、一般の方の配管は難易度が高くなっています。
*被覆付き銅管
外側がプラスチックゴムなどで銅管の周りを被覆したタイプです。樹脂はペレットと呼ばれる米粒のような状態です。管を高温で熱するハンダ付けを行います。そのため、耐熱温度の高い銅管に使用されています。断熱性に優れた保温材で被覆し、室内配管にも対応可能です。しかし、一般の方の配管は難易度が高くなっています。
*耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管(HIVP)
硬質の塩化ビニル樹脂でできた配管です。腐食に強く、水道や下水道管、ケーブルを通す保護管としても使用される場合があります。塩ビ管は、VP管(厚肉管)とVU管(薄肉管)に分けられます。鉄製の管に比べ、軽量性・経済性・耐候性・難燃性・電気絶縁性・耐酸性・耐アルカリ性などに優れています。
HIVPの性能は、JISの基準が定められています。道具と材料が揃っていれば、一般の方でも配管は可能です。一方、給湯用の塩ビ管は、HTVPとなります。HIVP管は黒色または濃紺色、HTVP管は赤茶色です。
*ポリ管(ポリプデン管・架橋ポリ管)
ポリブテン管とは、ポリプロピレンと同じポリオレフィン系の樹脂です。軽量性・耐摩耗性・耐衝撃性・耐ストレスクラッキング性・可撓性・保温性・防露性などに優れています。
給水管や給湯管、床暖房の温水配管など、幅広く使用されています。
架橋ポリエチレン管とは、水道用合成樹脂管の一種です。耐薬品性・耐塩素水性・耐衝撃性に優れています。パイプや継手をホームセンターで入手できます。したがって、一般の方でも配管は可能です。
□まとめ
今回は、住戸で使う給水管・給湯管の種類について解説しました。何らかの原因で配管から水漏れが発生した際は、これらの給水管・給湯管の知識が役立ちます。トラブルを未然に防ぐためにそれぞれの特徴を知っておくとよいでしょう。