マンションの維持管理に必要なのが定期的な消防点検です。しかし、具体的などのような点検が行われているのか知らない方も多いのではないでしょうか?点検を怠ると、万が一のときに消防機器が正常に起動しない可能性があります。そこで今回は、マンションの消防点検の仕組みやチェックする箇所について解説します。
□マンションの消防点検とは?
マンション(共同住宅)は、消防設備を設置しなければいけない防火対象物であり、非特定防火対象物です。マンションの規模により、消火器やスプリンクラー、自動火災報知設備を設置するよう義務付けられています。これらの設備は、正常に稼働しているかの点検が定期的に必要になります。
ただし、点検時期ではないにもかかわらず、有効期限切れや設備交換を求める悪徳業者が訪問するケースが増えています。住人の方が被害に遭わないように注意喚起しておくとトラブルを事前に回避できるでしょう。
□マンションの消防点検では何をチェックするのか?
消防点検には、大きく分けて「機器点検」と「総合点検」があります。
*機器点検
機器点検とは、消防設備が適正に設置されているか、損傷などがないか、簡易な操作で機器が正常に作動するかなどをチェックする点検のことです。これは、6ヶ月に1回行わなければなりません。基本的には、マンションの共用部分を点検します。設備点検の項目は、以下の通りです。
消火器
スプリンクラー
避難はしご
屋内消火栓
非常ベル
自動火災報知設備
非常コンセント設備
*総合点検
総合点検は、消防設備の全部若しくは一部を作動させて、消防設備の総合的な機能を点検基準に基づきチェックする点検のことです。こちらは、1年に1回行います。総合点検では、専有部分の設備にもチェックするため、居住者の立会いが必要です。1部屋あたりの点検は5〜10分程度で終了しますので、居住者の1部屋あたりの負担は少なく済みます。
具体的な設備の点検事項は、以下の通りです。
自動火災報知器が正常に作動するか
スプリンクラーが正常に作動するか
防火シャッターが正常に作動するか
誘導灯の電球は切れていないか
避難はしごの腐食・破損がなく、降下できるか
点検は、平日に行われることがほとんどであるため、事前告知を確認しておきましょう。事前にこの日に行いますよという案内を入れておくことで、不在率を下げられ効率的に行えます。
機器点検と総合点検は、消防設備士または消防設備点検資格者が行います。また、点検結果報告書を作成し、3年に1度に消防長又は消防署長に報告する必要があります。
□まとめ
今回は、マンションの消防点検について開設しました。消防点検は、機器点検と総合点検に分けられます。機器点検では室内の点検は不要ですが、総合点検では部屋の中も点検するため居住者の立会いが必要です。ただし、点検時期ではないにもかかわらず訪問する悪徳業者がいるため、居住者に注意喚起することも大切になります。