ガラスには「一枚ガラス」と「複層ガラス」がありますが、複層ガラスは一枚ガラスに比べて断熱性や遮音性などさまざまな効果を発揮します。2000年代から省エネ住宅への注目が高まり、新築住宅を中心に普及が進んでいます。その複層ガラスですが、具体的にどのような効果を発揮するのでしょうか。そこで今回は、複層ガラスのメリットや特性を解説します。
□複層ガラスのメリット
複層ガラスは、2枚のガラスの中間に空気を挟んだ二重構造のガラス窓となっています。この構造により、中間層で熱の移動を遮断させることができます。厚みはメーカーやブランドによって異なりますが、全体の厚さは12ミリメートル程度で、2枚のガラスの間には約6ミリメートルの空気層による隙間が設けられています。乾燥した空気やアルゴンガスが入れらており、結露を防ぎシックハウスの予防につながります。また、熱や音が伝わりにくい性質で、熱や音の移動が抑えられます。さらに複層ガラスは、紫外線カットも期待できます。
□複層ガラスが持つ特性
*断熱性
複層ガラスは一枚ガラスと比較すると、断熱性が約1.7倍あるとも言われています。一枚ガラスでは、冬は外の冷気が室内に入り込んできますが、複層ガラスでは、2枚のガラスの間に空気層が設けられることで、室内の暖房熱を外に逃がさず維持することができます。この断熱性の高さで、一年中快適に過ごすことができます。
*防犯性
一枚ガラスと比較すると、複層ガラスは、防犯性が高いと言われています。泥棒は窓ガラスを割って侵入することが多いですが、2枚のガラスがあるため、侵入する時間がかかってしまいます。時間を使うと侵入を諦める可能性もあるので、空き巣被害も最小限に抑えられるでしょう。さらに防犯対策を強化するには、特殊フィルムを挟んだ強化ガラスなどを使用したり、補助錠を増やして二重ロックにする方法もあります。
*結露を防ぐ
結露は、窓周辺でカビが生えたり、湿気による建材の腐食や錆びの原因にもなります。一度カビが発生すると、止めるのは難しく健康にもよくありません。また、結露により、窓から伝わる冷気が室内の暖かい空気を冷やしてしまう場合もあります。しかし、複層ガラスは一枚ガラスに比べて、結露の発生を軽減します。
*紫外線カット
Low-E金属膜など、特殊な膜が付いているガラスは紫外線や太陽熱を遮断する効果が期待できます。複層ガラスは一枚ガラスに比べて、2倍の効果を発揮することができます。また、紫外線カットでフローリングや家具などの色褪せを防止することもできます。
□まとめ
今回は、複層ガラスのメリットや特性を解説しました。複層ガラスは、断熱性や防犯性、紫外線カットに優れています。また、結露を軽減できるので、カビの発生を抑えることができます。オーナー様は、複層ガラスを一度検討してみてはいかがでしょうか。