電気でお湯を沸かす給湯設備である「エコキュート」と「電気温水器」ですが、意外と違いがわからない人も多いのではないでしょうか?それぞれ見た目や特徴、価格など、さまざまな違いがあります。そこで今回は、「エコキュート」と「電気温水器」の仕組みや違いを解説します。
□「エコキュート」と「電気温水器」の仕組み
「エコキュート」は、ヒートポンプという技術で自然冷媒を使用してお湯を作ります。
正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言います。室外機を使って大気中から熱を吸収し、電気エネルギーによってCO2を圧縮して高温にします。つまり、空気の熱エネルギーと電気のエネルギーどちらも活用し、省エネルギーでお湯を沸かすことができます。エアコンや冷蔵庫にもヒートポンプの原理が使用されています。導入するには、電気・水道工事に加え、基礎コンクリート工事が別途必要になります。
一方「電気温水器」は、貯水タンクの中に電気ヒーターを設置してお湯を沸かし、いつでも使える状態にできる仕組みです。巨大な電気ポットをイメージするとわかりやすいかもしれません。
□「エコキュート」と「電気温水器」の違いは?
*お湯の作り方
エコキュートは、ヒートポンプという技術で自然冷媒を使用してお湯を作ります。室外に設置されたファンが空気を取り込み、コンプレッサーで空気を圧縮させて温水を作ります。比較的少ない電気でお湯を沸かすことが可能です。
電気温水器は、貯水タンクの中に電気ヒーターを設置してお湯を沸かし、電気を利用してヒーターを暖めます。これにより、いつでもお湯を使える状態に保ちます。
*電気代(コスト)
機種にもよりますが、エコキュートの方がお得になります。設置費用がかかりますが、少ない電気でお湯を沸かすことができるので、その分ランニングコストを抑えることができます。エアコンの省エネ化にも活用される技術なので、電気代の節約につながります。
*設置スペース
エコキュートは、貯湯ユニットと室外機のヒートポンプユニットを設置しなければなりません。その分、多くの設置スペースの確保が必要になります。一方、電気温水器は、貯湯ユニットのみの設置でお湯を沸かすことができます。
□まとめ
ここでは「エコキュート」と「電気温水器」の仕組みや違いを解説しました。エコキュートは、設置費用がかかりますが、電気代が安くなるため利用者が増加しています。電気温水器は、貯湯ユニットのみの設置で初期費用は安くなりますが、電気代は高くなります。それぞれのメリットを考慮しながら検討してみましょう。